草千里99 3654日目の出会い



このコーナーでは、草千里99の編集に関わった情景やら、コメントなどを伝えてゆきます。
多少フィクションのにおいもあったりしますが、殆どマジです。ハイ。



【まず始めに。。。】
 草千里99が終わり、最初におこなったのは「名簿のチェック」と云うものでした。慣れないキーボードとソフトを片手?に打ち込み作業に没頭するスタッフ達。彼らの殆どは作業場である「井端亭」で行われていないため、記録として残っていません。写真に写っていないからと云って、写っている極く数人によって出来上がった本ではない事をまず始めにお伝えして進めて行きたいと思います。

←ノベルティの販売促進の為、撮影を始めた間弓 幸夫氏。
Tシャツ一つ撮るのにもこだわりがあるらしく、数時間かけてようやく終了。
WinもMacも関係無く続く打ち込み作業。
九州から関東までのスタッフ約10数名を動員しての突貫作業。
数々の場所で睡魔と戦いながらの単調作業をこなして行くのでした。。。

 思えば、昨年9月から始まった編集作業も準備に半年を要したのは少し誤算だった。
 何せ3000人のアンケート打ち込み作業。主要スタッフの方は、報告書の作成やアンケートの補佐など、8月に残してきた本業をも加え、忙しさは結局「草千里99」の準備段階以上の過酷さを極めていった事を考えると仕方のない事かも知れないが。。。
 さて、アンケートの打ち込みですが、そのフォーマットを完成させるのに約ひと月。続いて打ち込みに約2ヶ月を要し、ようやく名簿らしくなったところへ襲ってきたのが師走。そう年賀状を送らねばなりません。そこで、今年はスタッフどうしが出し合うカタチの年賀状のコンペで幕を開けるも忙しさの余り?出し合ったネタは苛くもコ、却下の連続で、当選したのが、思いつきで決定した例の写真でした。
 年が明ければ本体部分の準備と云う事で、写真のスキャン作業が待っています。が、素人が手を出せるほど簡単でないのがこの作業です。かと云って1点500〜1000円ほどのスキャン料金を払っていては、総数7000点以上に及ぶ写真のスキャンを行うと写真集制作を前にして破産してしまうでしょう。(350〜700万円も掛かるのかぁ。。。)
 そこで、考えた末の苦肉の策がこういうものでした。
 印刷所にこちらのスキャナで取った画像を幾つかの補正をかけてテスト印刷してもらう。>その調子を見て基本設定でスタッフのみなさんにスキャンをお願いする。>基本のデータを受け取り、決定した補正データに修正する。これを7000点。
 しかし、写真を垂直に置くと云う作業が結構堪えるらしく、思ったように進みません。おまけに雷雨から晴天までの写真があるものですから、本当にこれで写真集になるんかいな?と、不安にかられること多数。この時ほどカラーで制作を決意した代表を恨んだことは無かったでしょうね(笑)。

 別働ヘそのころ。。。更に再撮影の案内や返事のない方々への連絡、そして撮影と続いているらしく、こちらも悪戦苦闘状態が続く。

まだまだ、壁の見える井端亭内部。
手前に見える「黒ラベル」は井端亭標準装備アイテム(笑)。
しかし、汚い部屋だねぇ。。。あっちこっちにケーブルやらパソコンが。。。既婚者の家とは思えない。。。(涙)
これが、年が明け、春が来て、編集作業絶頂期になると。。。

 話は前後するが、我々の頭の中で今回の写真集について、参加者全員の顔写真を掲載する事は「大前提」であったが、それとは別に、その日の草千里の一日を別の視点から追いたいと考えていた。
 曰く「今までの写真集とはカタチが変わってしまって振り向かれないのでは?」と云う保守派?と、「ここで変えなければ何のためにやってきたのか解らない。」と云う基本路線派、である。
 確かに「冒険」だったと思う。プロだけが撮った訳でもなく、ましてや編集は「素人」ばかりなのだから、今までのパターンを継承することが無難な選択となるのだろうが、それでは何のための10年かと云う事になりはしないかい?
 だって、我々が目指していたのは「集う」と云う事だったのだから。その「集う」部分が個々の個人写真だけでは、あまりに見えてこないと思うんですよね。その時の雰囲気や言葉、そう云った部分まで出さないと単なる「卒業写真」になっちゃうんじゃないだろうか?と云う、危機感があった。
 阿蘇の町の方々や、その他大勢の協力者に恵まれて、結局出来たモノは参加者だけが満足できる本だった。。。なんて事は絶対にしたくなかった。
 だから、今回は全員の顔写真を載せつつも、参加者の顔が小さくなったって云う部分があるんです。ただ、小さいながらもそこはカラーで見せると云う手段で満足して下されば幸いだし、それとは別の部分、つまりその日共有した一日を何らかのカタチで見せて行くと云う事に我々は力を注いだ訳です。
 何だか言い訳臭くなったけど、その場の雰囲気って云うのは自分の居る範囲と時間でしか解らなかった訳で(スタッフの殆ども、そう感じていたらしい(^_^;))、何よりも多くの場所と時間が本に詰まっている方が、参加者にしても参加できなかった人にしても、より想い出が深まり、雰囲気が感じられると私は思っているのですが。。。。。
 さて、みなさんはどうお考えでしょうか?


セレクトされたイメージ写真の数々。
ポジの状態で見ていたものの、複数人で見ると混乱の度合いが増えたため、プリgアウトして見てゆくことに。。。
しかし、色が違うのよねぇ。。。インクジェットの安物プリンターで何も考えずにだしたら。。。

校正に励む、坂本氏と間弓氏。
奥の間弓氏、校正の鬼なんですが、やっぱりここでも「こだわる」らしく、いつまで経っても校了しない。。。(コラ!赤ペンを鼻に突っ込むな!)
しかも完成寸前から始めるもんだから、手前の坂本氏のイライラは募るばかり。。。(このお陰で数キロ減量に成功したらしい。)

 この春には写真集のフォーマットも決まり、全員掲載のスナップとは別にイメージ的な写真をセレクトする作業に入りました。こちらはポジ(スライド用フィルム)での撮影ですから、その場で見れば解るのですが、折角たくさんのスタッフに囲まれている訳ですから、みなさんにセレクトしていただこうと云う事になり、急所スキャンしてデーノ。。。それをCD-Rに焼き、出来の良い写真を選んで貰うことにしました。
 しかし、みなさん個性的なせいか、選ばれた写真に偏りがない!故に編集部では更にセレクトせねばならず二度手間と云え二度手間だったのですが、お陰でゆっくり熟考する時間を無理矢理作った様なカタチになったからこれはこれで「良し」だったでしょう。

 出版直前の写真集の中身を公開!校正中の附箋が多々ありますが、全体の雰囲気はこんな感じです。

                    次回更新へ続く。  トップページへ戻る。





Last Update 2000.8.21
ご意見ご感想は、こちらまで